すべりひゆ (滑莧)
学名 |
Portulaca oleracea |
日本名 |
スベリヒユ |
科名(日本名) |
スベリヒユ科 |
日本語別名 |
イハイズル、ノハイズル、ヒヨー、コオロギグサ、ホトケメシ、ホトケノミミ、ボシミン、ヒデリグサ、ヒデリコ、フズキグサ、ノシベ、ヒユウナ、ヌメリヒユ、ツルツル、ヨツバライ、ヨゴシグサ、トンボソウ、ミンブトキ |
漢名 |
馬齒莧(バシカン,măchĭxiàn) |
科名(漢名) |
馬齒莧(バシカン,măchĭxiàn)科 |
漢語別名 |
馬莧、馬蛇子菜(バダシサイ,măshézĭcài)、馬齒菜(バシサイ,măchĭcài)、馬子菜、螞蟻菜、地馬菜、長命草(changmingcao)、長命菜、五行草(ゴコウソウ,wuxingcao)、五方草、瓜子菜(カシサイ,guazicai)、麻繩菜、猪母乳、猪母草、猪母菜 |
英名 |
Purslane, Garden purslane |
2004/08/23 跡見学園女子大学新座キャンパス |
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2005/09/12 同上 |
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2010/08/24 富山県薬用植物指導センター |
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辨 |
スベリヒユ科 Portulacaceae(馬齒莧 măchĭxiàn 科)には、下記のスベリヒユ属 1属がある。
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スベリヒユ属 Portulaca(馬齒莧 măchĭxiàn 屬)は、世界に約115-153種がある。
マツバボタン P. grandiflora(P.pilosa subsp.grandiflora;
大花馬齒莧・松葉牡丹・乞兒碗・半支蓮・六月雪)
南アメリカ原産、しばしば逸出
P. insularis(小琉球馬齒莧) 臺灣産
P. okinawensis
オキナワマツバボタン var. okinawensis(P.pilosa subsp.okinawensis) 沖縄産
アマミマツバボタン var. amamiensis 奄美産
スベリヒユ P. oleracea(馬齒莧)
タチスベリヒユ(オオスベリヒユ) var. sativa ヨーロッパ原産、蔬菜用。
ヒメマツバボタン(ケツメクサ) P. pilosa(P.australis;毛馬齒莧・朱雀舌・午時草・嘴草)
熱帯アメリカ原産、日本には帰化
タイワンスベリヒユ P. psammotropha(P.quadrifida var.formosana, P.insularis,
P.boninensis, P.hainanensis;沙生馬齒莧) 臺灣・海南島・フィリピン産
P. quadrifida(四瓣馬齒莧) 臺灣・廣東・雲南から旧世界の熱帯・亜熱帯に産
ハナスベリヒユ(オオスベリヒユ) P. oleracea × P. pilosa subsp.grandiflora
(大花馬齒莧) 観賞用
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訓 |
和名は、茎葉を茹でて食うと滑らかなことから。 |
『倭名類聚抄』馬莧・馬齒莧に、「和名宇万比由」と。
『大和本草』に、「馬齒莧{スヘリヒユ}」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』馬齒莧に、「ウマビユ和名鈔 スベリヒユ スベリヒヤウ佐州 スメリヒユ防州 イヌヒヤウ相州 ズンベラビヤウ加州 イハヒヅル伯州」と。 |
漢名馬齒莧(バシカン,măchĭxiàn)は、葉の形から。 |
英名は、スベリヒユの仲間の総称。pusley は、purslane の転訛。 |
説 |
一説に南アメリカの熱帯原産、一説にヒマラヤ西部・中央アジア・ギリシアの原産。
かつて広く蔬菜として栽培され、今日では広く世界中の熱帯・温帯に分布する雑草となっている。
しかし今日でもなお、エジプト・スーダンでは市場向けに栽培し、イギリスでは種苗カタログに記載されている。 |
誌 |
中国では、若葉・若芽を蔬菜として食用にし、全草を乾燥して薬用にする。『全國中草藥匯編 上』pp.77-78 『中薬志Ⅲ』pp.15-17 『(修訂) 中葯志』IV/176-181 |
『万葉集』に、
いりまぢ(入間道)のおほや(大家)がはら(原)のいはゐつら(蔓)
ひ(引)かばぬるぬるわ(吾)になた(絶)えそね (14/3378,読人知らず。武蔵国の歌)
かみつけぬ(上毛野)かほや(可保夜)がぬま(沼)のいはゐづら(蔓)
ひ(引)かばぬ(濡)れつつあ(吾)をなた(絶)えそね (14/3416,読人知らず。上野国の歌)
とあるいはゐ蔓は、諸説があるが、スベリヒユとする説が強い。 |
「馬歯莧(すべりひゆ)とてあり。是莧の類にあらず。葉馬の歯のごとく、其性又莧に似たれば、馬歯莧と書けり。和名すべりひゆと云ふ意は、其性なめらかにして莧に似たるなり。其葉をすりて腫物脛瘡にぬりてよく治す。茹(ゆび)きてあへ物さしみなどに用ゆべし。脾胃よはき人にはよろしからず」(宮崎安貞『農業全書』1697)
「若い頃軟らかい部分を採って生のまま汁の実、ゆでて和え物・浸し物にもする。」(本山荻舟『飲食事典』1958)」
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